最近のカフェ・喫茶店業界では、人件費の高騰が深刻な経営課題となっています。
実際、人件費高騰を理由に値上げをしている事業者の例をあげれば、数えられないほどのケースが上がってくるでしょう。
では、人件費高騰は本当に起きているのでしょうか?そして、カフェはそれに対してどんな対策をすればいいのでしょうか?
人件費高騰に関するニュースや事例
まずは、2025〜2026年にかけてのニュースで目立つ点をいくつか挙げます。
- タリーズコーヒージャパンの内山修二社長が2026年2月頃の日経新聞インタビューで、「コーヒー豆の仕入れ価格や人件費が高止まりする中」と明言し、利益率の伸び悩みを認めつつ、高単価商品開発や多様な業態展開で対応する方針を示しています。
⇒タリーズ、コーヒー30円値上げ450円に 原材料・人件費高騰で - 飲食業界全体で2025年度上期の平均給与が上昇し、特にカフェ・喫茶店業態では月給が前年比4,600円以上増加したという調査結果(2025年11月頃報道)があり、最低賃金引き上げの影響が顕著です。
⇒【2025年度上期飲食店動向】飲食店の平均給与(業態・業種別)を飲食店ドットコムが発表。東京30.1万、大阪28.8万、愛知27.6万、福岡26.8万 - 2025年の飲食業倒産が初めて1,000件を超え、食材費・人件費上昇が小規模店に大打撃を与えていると東京商工リサーチが2026年1月に発表。カフェを含む小規模店舗で価格転嫁が難しく、経営圧迫が続いています。
⇒2025年「飲食業」倒産 初の 1,000件超 食材費・人件費上昇が小規模店に大打撃
このように、間違いなく人件費高騰はカフェ・喫茶店経営に大きな影響を与えており、今後もその傾向が変わることはないでしょう。
カフェアルバイトの人件費の実際の変化
では、人件費が高騰していると言っても、実際どのぐらい変化しているのでしょうか?
2025年7月のデータでは、三大都市圏のカフェアルバイトの平均時給は1,327円だそう。
一方で、2020年には東京都ですら平均時給は1,050円以下でした。
およそ300円。1時間あたりコーヒー1杯の利益がなくなる計算です。
政府は2029年度までに最低賃金1,500円を目指していることを発表しているので、間違いなく今後も人件費はどんどん高騰を続けていくでしょう。
わたしたちは、そんなカフェ・喫茶店の人件費問題に対し、コーヒー企業としてできる対策をご提案しています。

人件費高騰に対するカフェの対策とは?
まず、これらの人件費高騰・人手不足に対し、カフェや喫茶店が実際に取り組んでいる主な対策をご紹介します。
- セルフオーダー・モバイルオーダー・セルフレジの導入 注文・会計を顧客自身で行えるシステムを導入することで、ホールスタッフの負担を大幅に軽減。ピーク時の待ち時間短縮や人件費20〜30%削減の事例が多く、特にカフェ業態で効果が高いとされています。
- 配膳・下げ膳ロボットの活用 ロボットを導入してスタッフの移動負担を減らし、少人数運営を実現。接客やドリンク提供に集中できるようになり、顧客満足度向上と人件費最適化を両立させる店舗が増えています。
- シフト管理の精緻化+AI需要予測ツール 過去データやAIで来客予測を行い、必要最小限の人員配置に最適化。無駄なシフトを削減し、人件費を25〜30%程度圧縮した事例が報告されています。
- 無人・省人化カフェモデルの検討 完全無人または最小人員での運営(自動販売機式ドリンク提供+セルフスペース)を取り入れる動きが拡大中。人件費を30〜75%削減した複合カフェの成功事例もあり、24時間営業や低コスト展開が可能になります。
- 客単価向上と高付加価値化による売上増で人件費率を相対的に下げる 高単価メニュー(スペシャルティコーヒー・紅茶・スイーツ強化)や限定商品の開発、テイクアウト・デリバリー強化で売上を伸ばし、人件費比率を抑える。タリーズのように「客単価3割増」を目指す戦略が代表的です。
ただし、ご覧いただいてもわかるように、1~3は特に初期投資が必要になったり、ある程度の規模感のお店・企業でしか使えない対策ばかりです。
そこで、私たちが今お客様に提案しているのが主に4,5となります。
無人・省人化カフェモデルの検討
カフェでハンドドリップコーヒーを提供できる人材を育成するのは簡単ではありません。
そのお店の味が決まっている場合はなおさらです。
なにより、ハンドドリップコーヒーは1~4杯のコーヒーを提供するのに、スタッフが3分間ほどドリッパーの前から離れられなくなるため、売上に対して人件費も圧迫しやすくなります。
かといって業務用クラスの全自動マシンを使うと、導入費だけで30~100万円ほどかかってくるため、小規模カフェには重たい負担です。
そこで私たちが現在提案しているのが、約10万円~できるドリップサービスです。
実際にこれを導入し、少人数で行列店をさばいているコーヒー専門カフェもあります。
これに関して気になる方は、ぜひ下記のページをご覧ください。
客単価向上と高付加価値化による売上増で人件費率を相対的に下げる
また、上記の省人化とあわせてご提案したいのが、スペシャルティコーヒーなどの高付加価値商品の提供や、物販販売の追加による客単価向上です。
スペシャルティコーヒーとは高品質・高付加価値のコーヒー豆のこと。

例えば、これまで一般的なコーヒーの平均原価が1杯30~40円ぐらいだったのに対し、スペシャルティコーヒーは1杯50~100円と原価が高く、ホテルやレストランなどからは敬遠されてきました。
ですが、人件費高騰に伴い、1杯あたりのコーヒーの値段を上げなければいけなくなったために、原価の高いコーヒー豆をあえて使い、商品の価格転嫁に切り替えるお店も増えてきているのです。
「人件費高騰で値上げ」だと外聞が悪くなるかもしれませんが、「コーヒー豆の品質をアップしたので値上げ」であればお客様も納得しやすいためです。
また、弊社の卸売り焼き菓子を「飲食店の販売に使いたい」というお店もあります。
焼き菓子を自分で焼いても、菓子製造許可を得ていなければ販売はできません。
ですが、「店頭の商品を増やすと言っても、大量生産で業者から仕入れた焼き菓子は使いたくない…」そんな方からの需要をいただいております。
これらの対策は、単独ではなく複数組み合わせることでより効果を発揮します。
人手不足が構造的な問題となっている今、「人」で解決する時代から「仕組み」で解決する時代への転換がカフェ業界全体で加速しています。
ぜひ、これらの施策を組み合わせて、今後の人件費高騰を乗り越えていきましょう。
そして、その手伝いを弊社でなにかさせていただければ幸いです。



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