カフェを開業するにあたって重要な要素の1つがコーヒー。
大手だったら新しくバリスタを雇う選択肢もあるかもしれませんが、小規模カフェでは自分で技術を習得するか、全自動エスプレッソマシンなど機械に頼るかの2択になってきます。
そこで今回は、全自動エスプレッソマシンのメリット・デメリットについて触れながら、業務用マシンを選ぶポイントもご紹介していきます。
全自動エスプレッソマシンの特徴
全自動エスプレッソマシンをセミオート(半自動)マシンや手動マシンと比較したときの特徴は以下の通りです。
・全自動マシンのメリット
1. 自動で作業してくれるので手が空きやすい
2. 安定したクオリティの抽出ができる
・全自動マシンのデメリット
1. 毎日の清掃時間が長い(20~30分ほど)
2.セミオートなどと比べると価格に応じて性能差が大きい
3.清掃に使う洗剤などのランニングコストが高い
4.機械部分が多いので、セミオートなどに比べて壊れやすい
5.ラテアートなどは基本的にできない
以上です。
こうしてみてみると、全自動マシンは意外とデメリットが多いことが分かります。実際、人件費が高騰している今でも大手のコーヒーチェーン店が全自動マシンをドリップコーヒーぐらいでしか導入しないのはこれが理由です。
基本的には、「ある程度練習したバリスタが」「セミオートマシンで」作ったほうが早く、美味しく、安い原価でカフェラテなどは提供できるのです。
一方で、レストランやベーカリーなど「本業がほかにあり、コーヒーはあくまでサブの収入源である」というお店の場合はコーヒーに時間や人手を割くよりは全自動マシンに頼ったほうがいいこともあります。
この点は一概には「どちらが〇〇のお店にはおすすめ」…とは言えないので、もしお悩みの方は一度弊社にご相談ください。
業務用エスプレッソマシンの相場とは
ちなみに、業務用エスプレッソマシンとひとくちに言っても、その性能と価格の幅広さはかなり大きいです。
たとえば、ネットで業務用エスプレッソマシンを検索すると10万円代からのものが出てきます。
この場合の”業務用”とはオフィスや美容室など、数十分に1~2杯ほど提供するという意味であり、飲食店のように1時間に10~20杯を提供するようなお店のことは指していません。
まれに、「このタイプはカフェやレストランでは使えません」とご案内すると、「ネットには業務用と書いてあったんですが…」というご相談者が見えますが、業務用の意味合いが違うのです。
飲食店で使える全自動タイプとなると、最低でも30万円ぐらいから20席を超えてくると50~60万、それ以上になると100万円を超えるものもあります。
では、そんな価格差の中からどうやってマシンを選ぶのでしょうか?エスプレッソマシンのカタログなどを見ると、1日の抽出杯数が書いてあることが多いです。※下記画像右上

また、1日の推奨抽出杯数が書いてなくても、コーヒーカス箱容量やコーヒー豆のホッパー容量から概算することもできます。
たとえば、上記マシンであれば700g容量のホッパーが2つついており、1.4kgの容量がありますが、1杯あたりのコーヒー粉は10~13gほど使用するので、140杯~107杯ほどが1日の抽出量目安となります。
あくまでこれは目安なので、正確なところはメーカーに確認する必要がありますが、ネットで10~20万円程度の業務用コーヒーメーカーのホッパー容量が100~200gしかないことを考えると、飲食店には絶対使えないことが分かるかと思います。
エスプレッソマシンとコーヒーメーカーの違い
また、業務用エスプレッソマシン(コーヒーマシン)と業務用コーヒーメーカー(ドリップマシン)は名前こそ似ていますが、コーヒー業界では使い分けることが多いです。
業務用エスプレッソマシンは、名前の通りエスプレッソ(濃いコーヒー)を抽出して、それをお湯割りしたアメリカーノコーヒーを提供したり、ミルクとあわせたカフェラテ・カプチーノなどを提供します。
大きな特徴としては、必ず1回ごとに抽出し、ミルクメニューも提供できることでしょうか。性能がいいマシンになると、抹茶やココアパウダーを入れるボックスがついていたりと、メニューの幅が広がります。
一方で業務用コーヒーメーカーはドリップタイプのマシンを指すことが多いです。マシンとしても1杯出しのタイプから、昔ながらの喫茶店のように作り置きタイプのものがあります。
作り置きタイプは美味しいコーヒーをウリにするお店が増え、最近使っているお店こそ減っていますが、ランチで忙しい時間帯のみに提供するレストラン、駅前など来客が多いお店で作り置き時間が一定を過ぎたら廃棄するチェーン店など、いまだに一定の需要があで言えば
ただし、これはあくまでコーヒー業界で言えばの話であって、ネットでは区別されていないことも多々あります。
まず、全自動マシンを見るときは、「エスプレッソタイプかドリップタイプか」「ドリップタイプなら作り置きタイプか1杯出しタイプか」を見てから、自分に合うマシンを探していただくとよいでしょう。
全自動マシンを選ぶ最低限のポイント
ここでは全自動マシンを選ぶときの最低限のポイントをご紹介しました。
全自動マシンのメリット・デメリット、価格、1日の抽出杯数、ドリップタイプとエスプレッソタイプなどなど…。これだけでも全自動エスプレッソマシンを見る目がグッと変わるかと思います。
このうえで、ご自身のお店に合ったマシンを選んでいただく必要があるのです。
ただ、なかなか全自動マシンを選ぶのに時間を使っていられない、自分ではよくわからないという方も見えるかと思います。そういった方はぜひ弊社のような専門店にご相談くださいね!


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