業務用エスプレッソマシンを導入したはいいものの、毎日のメンテナンスや洗浄がされていない…というケースを何度も目にしてきました。
実は、エスプレッソマシンの洗浄はドリンクのクオリティを左右するだけでなく、マシン自体の寿命にもかかわってくる大きなポイントなのです。
実際、メーカーや代理店によっては、適切に洗浄がされていないマシンは修理対象外となったり、引き取り不可になることも。
そこで今回は、エスプレッソマシンの洗浄について「どんな洗浄剤を使うのか?」という点からご紹介していきたいと思います。
エスプレッソマシンの洗浄剤:スケール除去剤とミルクラインクリーナー
エスプレッソマシンを毎日洗浄する部分としては主に2つあります。
コーヒーの抽出部分(グループヘッド)と、ミルクの蒸気部分(スチームノズル)です。
~グループヘッドとスチームノズルの画像~
グループヘッドとスチームノズルの汚れは一口に”汚れ”と言っても全く別もの。グループヘッドは水垢による汚れやエスプレッソの粉汚れを落とすため、スチームノズルはミルクのたんぱく質を除去するための清掃をしなければいけません。
そのため、それぞれ専用の洗浄剤が2種類に分かれます。
- スケール除去剤(Descaler):水垢(スケール)を溶かすための酸性クリーナー。
- ミルクラインクリーナー(Milk Line Cleaner):ミルクのタンパク質・脂肪を分解するアルカリ性クリーナー。
以下で、それぞれの特徴・成分・使用目的・使用頻度・注意点を比較しながら解説します。
1. スケール除去剤(Descaler)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主成分 | クエン酸、乳酸、硫酸系化合物など(酸性) |
| 対象汚れ | 水に含まれるカルシウム・マグネシウムが熱で固まったスケール(石灰質) |
| 対象部位 | グループヘッド(抽出口) |
| 作用 | 酸がスケールを化学的に溶解し、流れやすくする |
| 使用頻度 | 水質にもよるが、毎日推奨 |
| 使用方法例 | 1. 粉末をバスケットなどに入れ、バックフラッシュ or 自動洗浄モード実行 2. 複数回すすぎ(酸が残ると味に影響) |
| 代表製品 | URNEX Dezcal, Cafiza Descaler |
ポイント: スケールが溜まると抽出温度が不安定になり、コーヒーが薄くなる・苦くなる。 硬水(日本の水道水は中程度)では必須のメンテナンス。
2. ミルクラインクリーナー(Milk Line Cleaner)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主成分 | 界面活性剤、炭酸塩、過炭酸ナトリウム(漂白剤)など |
| 対象汚れ | ミルクのタンパク質・脂肪・糖(特に加熱されたミルク残渣) |
| 対象部位 | スチームノズル、ミルクチューブ、自動ミルクシステム内部 |
| 作用 | アルカリがタンパク質を分解し、脂肪を乳化して洗い流す |
| 使用頻度 | 毎日営業終後 |
| 使用方法例 | 1. クリーナー溶液をミルクピッチャーに入れ、そのままスチームを数回し、ノズル内部を洗浄 2. 水だけをミルクピッチャーに入れスチームを数回し、ノズル内部の溶液を洗い出す |
| 代表製品 | URNEX Rinza |
ポイント: ミルク残渣は細菌の温床になりやすく、カビ・悪臭・味の劣化の原因に。 ラテやカプチーノを頻繁に作るなら毎日必須。
洗浄剤は毎日使うものなのに高い!
ただ、こうした洗浄剤は毎日使う消耗品なのに、けっこう高価です。
代表的な洗浄剤にアメリカのURNEX社のものがありますが、スケール除去剤のCafizaは566gで2,750円、ミルクラインクリーナーのRinzaは1ℓで5,280円もします。
そこで弊社でコストパフォーマンスに優れる製品としておすすめしているのが、CaffitaryのMEL-F2000(カルキ除去剤 )1000mlと、MEL-F1000 1000ml(ミルクラインクリーナー)です。


それぞれエスプレッソマシンの洗浄用に開発された製品ながら、URNEX社の半額近い料金で販売されており、日々の清掃コストを大幅に下げることができる製品となっています。
また、品質面においても環境やエスプレッソマシンに優しいとされています。「MEL」とは、英語の ミネラル酵素の略のことで、マシン内部の金属素材を傷めず、「清涼飲料水規格基準」をクリアーできるほど人畜無害な製品とされています。
実際に、弊社のバリスタにもMEL-F1000(ミルククリーナー)の使用感を確かめてもらいました!
MEL-F1000のバリスタの使用感レビュー
【MEL-F1000】
家庭用から業務用まで、スチームノズルやミルクジャグの清掃にも最適。ミルク系ドリンクを多く扱うカフェでは、洗浄後に残る“ぬめり感”が完全になくなるのを実感できると思います。実際に試してみると、泡立ちが少なく扱いやすい上に、香り残りがないのも好印象。
コーヒー抽出時に影響を与えない“クリーンな状態”を保てる点は、日々クオリティを追求するバリスタにとって心強い存在です。オンラインでも販売しているので、よかったらご利用ください。


ワンポイント応用方法
ちなみに、スケール除去剤(MEL-F2000)はグループヘッド以外にもコーヒー関連の汚れなら比較的どんなシーンでもご利用いただけます。
たとえば、エスプレッソマシンの粉やコーヒー汚れなどを清掃したタオルを、スケール除去剤とお湯をためた容器に数時間浸しておくと、コーヒー汚れがしっかり落ちます。
このようにマシン本体だけでなく、コーヒー関連の汚れ全般に使えるのでぜひ試してみてくださいね!


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