ブレンドコーヒーとは?作り方や味わいとスペシャルティコーヒーとの関係

コラム

昔ながらのカフェや喫茶店に欠かせないブレンドコーヒー

最近のお店ではブレンドがないこともありますが、その魅力はどこにあるのでしょうか?

この記事では、ブレンドコーヒーについて以下のようなことをご紹介していきます。

1.ブレンドコーヒーとは?
2.ブレンドコーヒーとスペシャルティコーヒー
3.ブレンドコーヒーの基本的な作り方とは?

ブレンドコーヒーとはどんなコーヒー?

そもそも、ブレンドコーヒーとはどんなコーヒーのことを指すのでしょうか?

ブレンドコーヒーとは名前の通り、複数のコーヒー豆をブレンドしたコーヒーのことを指します。

産地や焙煎度合いの違うコーヒー豆を混ぜることでブレンドコーヒーを作りことができます。

逆に、ブレンドしていないコーヒー豆は”ストレートコーヒー”、または”シングルオリジン”と言われます。

では、なぜそんなブレンドをする手間を経てまでコーヒー屋はコーヒーをブレンドするのでしょうか?

ブレンドコーヒーの主な目的

ブレンドコーヒーを作る主な目的は以下の通りです。

1.ブレンドすることで品質を安定させる
2.ブレンドすることで欠点が目立ちにくくなる
3.店舗独自の個性をアピールしやすくなる

これだけだと少し分かりづらいので、もう少し詳しく解説していきましょう。

ブレンドすることで品質を安定させる

みなさんがカフェに行ったとき、毎回違う味のコーヒーが出たらどう思うでしょうか?

「このお店は技術がないんだな…」
「前は美味しかったのに、今回は美味しくなかったな…」

こんなことを思われるかもしれません。

でも、コーヒーは農産物。

季節によって味が変わったり、同じ生産地でも品種が変わってしまったりといったことはあり得ます。

“シングルオリジン”や”ストレートコーヒー”では、こういった時期ごとの味の変化が避けられません。

一方で、ブレンドコーヒーの豆や配合を変えれば、”できるだけいつも同じ味”を出すことも可能です。

このように、品質の安定の目的でブレンドコーヒーを出すお店もあります。

ブレンドすることで欠点が目立ちにくくなる

2つめは少しだけネガティブな理由。

ブレンドコーヒーはいくつかの豆を混ぜるため、ひとつひとつのコーヒーの特徴や欠点が分かりづらくなります。

そのため、安い豆を混ぜてコーヒーの原価率を下げるためにブレンドコーヒーを作るお店もあります。

これは、「安い豆を混ぜて大儲けしたい!」というわけではありません。

むしろ、ブレンドはストレートなどに比べると、安い価格で出しているお店も多くあります。

「ブレンドは安い」というイメージもあるため、コーヒー屋としては安価な価格でコーヒーを提供するための方法の経営努力のひとつでもあります。

店舗独自の個性をアピールしやすくなる

オリジナルブレンドには、店舗の個性をアピールできるメリットもあります。

たとえば、フルーティなブレンドコーヒーを出しているお店のコーヒーを飲めば

「若い人や女性をターゲットにしているのかな?」

なんてことが想像できます。

高齢の男性がメインのお店なら深煎りのしっかりしたブレンドなどもよいでしょう。

このように、オリジナルブレンドは店舗の個性をはっきりさせてくれます。

実際、わたしたちコーヒー屋もオリジナルブレンドの依頼があるとお店のターゲット層などを考慮に入れます

↑オリジナルブレンドに関心のある方はぜひご相談ください!

スペシャルティコーヒーとブレンドコーヒー

こういった特徴のあるブレンドですが、最近のコーヒー屋では昔よりブレンドが減ってきています

その理由の一つはスペシャルティコーヒーの台頭です。

スペシャルティコーヒーとは簡単に言ってしまえば高品質なコーヒー。

各農園や作り手が個性あふれる高品質なコーヒー豆を作ってきた結果、コーヒー屋の側も

「ブレンドをせずに、それぞれの豆の個性を楽しんでほしい」

と言って、あえてシングルオリジンでコーヒーを提供するようになってきたのです。

実際、スペシャルティコーヒー専門店を自称しているお店にはブレンドがないことも多いです。

こうしてみると、ブレンドコーヒーは”古いコーヒー文化”なのでしょうか?

再びブレンドコーヒーに注目が集まる時代に!

もちろんそんなことはありません。

むしろ、近年ではコーヒーの大会でもブレンドを出すバリスタも増えてきました

バリスタの世界大会で3位になった石谷バリスタも2024年はブレンドを使っています。

【速報】石谷貴之バリスタ世界第3位に入賞!2024 World Barista Championship in Busan | CROWD ROASTER
CROWD ROASTER は『世界中の厳選生豆』と『一流の技術を持つ焙煎士』の組み合わせを自由に楽しむ事ができるサービスです。

ブレンドコーヒーの主な目的は欠点を消すため…

そんなことも言われてきましたが、今のコーヒートレンドとしてはまったく違います。

いいコーヒーだからこそ、ブレンドして新しい個性を生み出す試みも増えているのです。

高品質なコーヒー豆を使うからこそ、ブレンドする楽しみがあるとも言えます。

ブレンドコーヒーの基本的な作り方

ブレンドコーヒーの基本的な作り方で、よく解説されるのがプレミックスとアフターミックスです。

プレミックス
コーヒー生豆を焙煎前にブレンドする方法。まとめて焙煎するので焙煎が一回で済み、大量生産に向いています。ただ、それぞれの豆に適した焙煎が難しいデメリットも。

アフターミックス
コーヒーを焙煎後にブレンドする方法。手間はかかりますが、それぞれの豆に合った焙煎ができるので、それぞれの豆の個性を最大限引き出すことができます。

基本的に、弊社も含め多くのコーヒー屋はアフターミックスをしています。

また、一般の方が焙煎まではなかなか追いつかないと思うので、自分でブレンドするならアフターミックスになるでしょう。

ですので、ここからお話しするのはアフターミックスのブレンドのお話しです。

アフターミックスのオリジナルブレンドの作り方

一般的に言われるブレンド方法は以下の通りです。

1.似た個性を持つ豆をブレンドする
2.まったく逆の個性を持つ豆をブレンドする
3.風味のユニークな個性を持つ豆をブレンドし、アクセントをつける

どのやり方も正解・間違いはありません。

ただ、初心者の方はベースの味わいとなるコーヒー豆を1つ決めて、それを軸に作ってみると作りやすいでしょう。

ベースの味わいが決まっていれば、イメージを変えるときも調整しやすくなります。

ブレンドコーヒー作りで最も大事なこととは?

そして、ブレンドを作るうえで最も大事なことがあります。

それは「それぞれのコーヒー豆についてしっかり理解していること」です。

似た印象の豆を混ぜるにしても、真逆の豆を混ぜるにしても、それぞれがどんな豆か理解していなければ、ブレンドのイメージが湧きません。

実際、わたしたちの「ブレンドコーヒーの作り方講座」でも、まずはその日に使うコーヒー豆の特徴を理解してもらうことから始めます。

ぜひ、それぞれのコーヒー豆の個性について学んでみてくださいね!

ブレンドコーヒーまとめ

ブレンドコーヒーはある意味で“古くて新しい”ジャンルです。

昔は欠点を隠すために、原価を下げるためにというネガティブな理由で作るお店もありました。

今でも、そんなお店ももちろんあります。

一方で、最近のトレンドでは新たな個性を作るためにブレンドを作る場合もあります。

ブレンドコーヒーの魅力について知り、ぜひ自分でもオリジナルブレンドを作ってみてくださいね!

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