TIMEMORE C3 手挽きコーヒーミルをバリスタがレビュー

コラム

この記事を書いたバリスタ

柴田 一貴
Instructor Barista / IMOM COFFEE Nagoya Sta.

青森県出身。短期大学卒業後、調理師、パティシエ、バリスタなどを経験をした後、2021年から名古屋に拠点を移し、店舗運営、商品開発、人材育成などに携わる。2023年にIMOM入社。コーヒーセミナー、開業サポートをメインに、店舗運営や商品開発などに携わりながら、自身のスキルアップとして大会にも挑戦している。

【受賞歴】
・Free Pour Latte Art Grand Prix Osaka 2022 Best32
・Latte One Team 2023 優勝
・Latte One Team 2024 3位
その他国内大会入賞歴あり

【取材歴】
Cafe Res [カフェレス] 2024 春/夏    特集 注目!「アイスコーヒー」アレンジレシピ
旭屋出版 進化系『アイスコーヒー』の技術とメニュー

コーヒーが好きだと、いつかは「自分で豆を挽いてみたい」と思うタイミングがやってきます。

とはいえ、最初の一台の選び方は初心者にとって悩ましいでしょう。

「高すぎても続かなかったらもったいないし、でも安すぎるとすぐガタがきそう…」

そんな悩める人にこそおすすめしたいのが、このTIMEMORE(タイムモア)C3です。

コスパ抜群の“ちょうどいい”手挽きミル

タイムモアは、コーヒー器具好きの間ではすっかりおなじみのブランドになりました。

なかでもタイムモアのC2というミルは、手頃な価格と性能のバランスの良さで、多くの人の“初めての手挽きミル”として選ばれてきました。

そして今回ご紹介するC3は、そのC2をさらに改良した後継モデル。

「コスパの神」と呼ばれたC2の良さを残しつつ、刃の形状をグレードアップさせ、挽き心地と粒度の均一性をより高めたモデルです。

実際に手に取ってみると、思った以上にしっかりした造りにまず驚かされます。

ボディはアルミ合金で、軽すぎず重すぎず、手にしっくりくる重量感。

挽くときに力が無駄に逃げないので、安定してゴリゴリと回せます。

新型のS2C刃で、もっとスムーズに

C3で一番大きな進化は、なんと言っても新しくなった刃。

「S2C(Spike to Cut)」という刃の形状が採用されていて、これはタイムモアの手挽きミルのなかでも上位機種である「Chestnut X」と同じ思想を取り入れたものです。

S2C構造のポイントは、豆を刃で挟み込む前に先端のスパイク部分で“割って”から切削すること。

これにより、より軽い力で効率的に挽けるだけでなく、挽きムラが少なく、雑味の原因となる微粉が減ると言われています。

実際に挽いてみると、これが本当に気持ちいい。

ハンドルを回したときの抵抗が少なく、リズムよく挽ける感覚は、手挽きミルにありがちな「腕が疲れるストレス」とは無縁です。

挽き目調整もスムーズで安心

C3は、底面にダイヤル式の挽き目調整機構がついています。

クリック感がしっかりしていて、どのポジションにセットしたかが分かりやすいのが好印象。

細挽きから粗挽きまでカバーできるので、ハンドドリップはもちろん、エアロプレスやフレンチプレス、時にはアウトドアでのコーヒータイムでも頼りになります。

ただし、エスプレッソレベルの極細挽きは正直厳しいです。

もしエスプレッソ専用に考えているなら、より上位のモデルや電動ミルのほうが現実的。

とはいえ、ペーパードリップ用途としては十分すぎるほどの均一さと挽き心地を備えています。

実際にドリップを淹れてみた感想

C3で挽いた豆を使って、普段のハンドドリップを淹れてみました。

一番に感じたのは、粉の粒のそろい方が明らかに良いこと。

ドリッパーに粉を落としたときのふんわり感が、安価な手挽きミルとまったく違います。

お湯を注いだときの膨らみもきれいで、抽出の流れが安定しやすい。

出来上がったコーヒーは雑味が少なく、クリアで豆本来の甘さが引き立つ印象でした。

これまで手挽きミルで「まあ、こんなものかな」と思っていた人にこそ、ぜひ体験してほしいポイントです。

デザインも所有欲を満たしてくれる

見た目の話をするなら、タイムモアの製品はどれも本当に美しい。

C3も例外ではなく、シンプルで無駄がなく、それでいてどこか品があります。

キッチンに置いていても道具感が強すぎず、アウトドアに持ち出しても絵になる。

付属の収納袋も質感がよく、持ち運びのときに地味に嬉しいポイントです。

C3ミルの注意点

ここまで良い点を中心に書きましたが、もちろん完璧ではありません。

たとえば、フルメタルボディなので、冬場はちょっと冷たい。

また、コンパクトとはいえ金属製なのでそれなりに重さがあります。

「もっと軽くて、気軽に持ち出せるほうがいい」という人には、プラスチック素材の超軽量モデルのほうが向いているかもしれません。

ただ、しっかりとした造りと精度の高さを考えると、この重量感はむしろ信頼感の証だと感じています。

C3ミルレビューのまとめ

TIMEMORE C3は、初めての手挽きミルとしても、2台目のステップアップ用としても、本当にちょうどいいバランスを持った相棒だと思います。

価格以上の仕事をしてくれて、毎日の一杯を確実に一段階おいしくしてくれる。

そんな道具を使う時間そのものが、コーヒータイムをより豊かなものにしてくれます。

もし「そろそろ自分の手で挽く時間を楽しんでみたい」と思っているなら、ぜひ一度C3を手に取ってみてください。

道具ひとつで、コーヒーはもっと楽しく、もっと自由になりますから。

店頭でも案内・販売をしておりますので、ご興味のある方はぜひおたずねください!

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