コーヒー豆は産地ごとにどう味が違う?初心者におすすめの産地は?

コラム

皆さんは、「コーヒーベルト」と言う言葉をご存知でしょうか。

これはコーヒーの栽培が盛んな国が集中している地域のことです。言い換えれば、コーヒー栽培に適した地形、気候が集まる地域をいいます。

具体的には、赤道を中心とした南回帰線から北回帰線の間にある熱帯地方で、標高500mから2500mの山、あるいは高地が集中している地帯です。その中には約70の国が含まれます。

これだけ生産地が広いと、当然、コーヒーの味も地域や国ごとに変わってきます。

今回は、産地ごとにみたコーヒーの味の特徴を紹介したいと思います。

アジア圏のコーヒー産地とその特徴

アジア圏は東南アジアと東アジアに大きく分けられます。

東南アジアはコーヒー豆の生産地域として有名です。

インドネシアのコーヒー豆生産量は世界第4位、ベトナムはなんと2位。かなりの上位に入ります。 

一般的に東南アジアは酸味よりもユニークな風味が中心の味わいになります。

アーシー(土っぽい)と呼ばれる香りが特徴で、全体的にパンチの効いた個性的な味と言われています。

「マンデリン」などはTHE・東南アジアという感じがします。

一方で、ベトナムで生産される豆は、ストレートで飲まれることもあるアラビカ種ではなく、ロブスタ種と呼ばれる苦みが強い品種になります。

※アラビカ種、ロブスタ種:飲用コーヒー豆の原種。ロブスタ種はアラビカ種とブレンドされ、インスタントや缶コーヒーとして流通していることが多い。

ただ、ロブスタ種だから品質が悪いというわけではありません。近年は「ファインロブスタ」と呼ばれる高品質なロブスタ種も生まれています。ワインのような香り、ほどよいフルーティーな酸味が特徴と言われています。

そして、東アジアでは中国での生産が盛んです。こちらは非常に個性的な味と言われています。軽やかな口当たりが特徴で、発酵プロセスを用いたユニークな味わいのものも増えてきています。 

アフリカ圏のコーヒー産地とその特徴

諸説ありますが、コーヒー発祥の地と呼ばれるアフリカ。総じて果実そのものの、フルーティな酸味に特徴があります。

生産者の多くは小規模農園です。小規模故に自前で生成施設を持っていない農園も多く、ケニアやエチオピアでは、生産された豆は付近の精製所に運ばれて精製されます。よって、他の農園の豆と混ぜ合わされて工場単位で流通するのが一般的です。 

西部は砂漠地帯や高温多湿なエリアが多く、標高も低いため、栽培には適していません。

ですが、東部は大地溝帯と呼ばれる巨大な谷が通っており、その谷の周辺には高い山や台地、豊かな自然が集まっています。大地溝帯付近は比較的標高が高いため、コーヒー栽培に適しているエリアになっています。 

中部は紛争のために大きな打撃を受けてしまいました。特に、当時世界5位の生産国だったアンゴラは、27年にも及ぶ内戦で、かつての面影はないに等しい惨状です。しかし、紛争が落ち着きつつある現在、コーヒーの生産も徐々に回復しつつあります。 

品種としては、エチオピアやイエメンで生産される「モカ」が有名です。

中南米圏のコーヒー産地とその特徴

中南米はコーヒー豆の生産地域が多く、一言で味を言い表すのは難しいところがあります。

強いて言えば、中米のコーヒーはスッキリとした酸味と甘み、南米はバランスが取れた味になります。

生産量世界1位の南米ブラジルを筆頭に、日本で流通するコーヒーの多くが中南米産。なので、私達にとっては非常に馴染み深い味と言えるでしょう。

世界的にみても、スペシャルティコーヒーのほとんどが中南米で生産されています。多彩な風味にもかかわらず品質が一貫しているため、シングルオリジンコーヒーはもちろん、ブレンドコーヒーのベースにも使用されています。

南米の西側にはアンデス山脈が連なり、コーヒーの生産にうってつけの標高、気候を生み出しています。

一方の中米も、シエラマドレ山脈が与える火山性土壌と標高で、理想的な地域になっています。ですが、一部の国では機械化が難しい斜面に農園があることが多く、栽培から収穫まで手作業で行わなければならない地域があります。

 「ブルーマウンテン」や「ブラジルサントス」などが有名でしょう。 

初心者におすすめの産地は?

コーヒーを飲み慣れていない方には、クセの少ないものがおすすめです。

よく言われるのは中南米3カ国、ブラジル産、コロンビア産、メキシコ産です。

ブラジル産は酸味が控えめで程よい苦みがあり、バランスが取れた味と言われています。

コロンビア産はマイルドで後味がスッキリとしている傾向があります。

メキシコ産は爽やかでさっぱりとしています。

上記3つのうち、自分の好みに合いそうなものを試してみてください。

慣れてきたら、好みとは違う傾向の味にも挑戦してみるといいでしょう。自分では思ってもみなかったものを「おいしい」と感じることがあるかもしれません。

ただ、初心者でもフルーティなコーヒーが好き…という方もいらっしゃるでしょう。

人によって最終的な好みは千差万別!ぜひ店頭にてバリスタに尋ねてみてください。

バリスタがあなたに合ったコーヒー豆を勧めてくれるでしょう。

おまけ:ブレンドという選択肢

ここまではコーヒー豆の産地に絞って説明をしてきました。ですが初心者の方でしたら、ブレンドコーヒーの方がおすすめできる場合があります。

豆によっては渋みや強すぎる酸味といった、ある意味欠点ともいえる味を持つものもあります。その特性を抑える豆同士をブレンドし、程よい苦みや甘みといった「飲みやすい味」に整えられているものが、世の中には多く出回っています。また、お値段も手頃です。

シングルオリジンが苦手でも、ブレンドコーヒーは好きという方もいるので、是非試してみて下さい。

※シングルオリジン:農家ごと、産地ごとの一種類の豆で楽しむコーヒー。

 

最終的には焙煎度合いも影響してくるのでコーヒー屋に尋ねてみよう!

このコラムを読んでくださっている方の中には、「誰かにコーヒーをプレゼントしたい」「コーヒーってどれを選べばいいかわからない」と考えている方もいると思います。

最後に、初心者におすすめのコーヒーの選び方を紹介したいと思います。

一番いいのは店員さんに聞くこと

最もおすすめなのは、店員に「こういった味がいい」「初心者向けに良いものはないか」と聞くことです。でも、なかなか店員が捕まらない場合もありますよね。

そんなときは、自分でコーヒーのパッケージ或いはポップを見るという手段があります。

 

ポップを見よう

専門店では、多くの場合コーヒーにポップをつけて、味の傾向を説明しています。

初心者が見るべきは、苦み、酸味などの味に関する項目です。苦いものが好きな方は苦みの強いものを、まろやかなものが好きな方はすっきり感の少ないものを、といった具合で、自分の好みに合いそうなものを選んでみましょう。

味について説明がない場合は、焙煎の度合いを確認すると良いでしょう。

 

そう、焙煎です。生豆を煎って水分を飛ばす工程があるわけです。これを行うと、風味が大きく変わります。

浅入りは酸味が強くさっぱりとした味わい、深煎りは苦みと香り、中煎りはその中間とされています。

豆によって適した焙煎度合いというものがあり、これは個人の好みでも変わります。

IMOMでは産地ごとに焙煎度合いを変えて、お客様に最大限コーヒー豆の特徴をお楽しみいただけるように焙煎しています。ぜひ店頭にお越しください。

ちなみに、ここでいろいろなコーヒーの味わいについて表現してきましたが、こちらについてもっと深く知りたい方はコーヒーの味の表現講座などもありますので、ぜひご受講してみてくださいね!

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